対象機種:CNCパイプベンダー MS-80R(1998年納入機)
※自動車用フューエルインレット曲げ加工設備
≪現状の課題≫
パイプベンダーの曲げ加工を行う上で重要な曲げ用金型では、次の金型での構成が多い。
①曲げロール、②締め型(クランプ型)、③圧力型(プレッシャー型)、
④芯金、⑤ワイパーダイ、⑥チャック爪
・この内、ワイパーダイについては曲げ加工時、パイプの内側のシワ防止の為に
取り付けるが、パイプ本体にキズを付けないようにさせる必要があり、
金型の材質をパイプ本体より柔かいものにしている。
・しかし、金型の材質が柔かいと、金型の摩耗が激しく、約3000本で金型交換を
実施しなければならない場合があり、ランニングコストが高くなる。
・またワイパーダイは、組み付け後の調整が必要で、金型の段取りに時間を
要する場合が多い。
≪新たな金型選定≫
ロールワイパーの検討
・ワイパーダイの材質の多くは、銅・アルミ合金を使用しており、
金型の消耗が他の材質と比べ早く、金型交換頻度が短くなっております。
・ロールワイパーは、このワイパーダイに相当部分の材質を一般的に使用しているもの
(主にダイス鋼)を使用し、さらに、金型の表面にタイシー処理を施している為、
金型の摩耗が非常に長くなります。
・また、曲げロール型とワイパーダイを一体化させる事で金型段取り時の調整が
必要ありません。
≪ロールワイパー導入時の取り組み≫
・ロールワイパーは、金型を取付る機械側の改造等がほとんど必要無く、
比較的スムーズに導入可能です。
・また、曲げロール・ワイパーダイ以外の曲げ金型については、
お客様が保有されているものをそのままご使用頂ける場合が多く、
金型製作コストが軽減できます。
≪ロールワイパー導入後の効果予想≫
製品の品質が安定、不良率軽減、ランニングコスト低減。
・ワイパーに当たるシワ取り部は、曲げロールと一体化させ、
表面には耐摩耗性の表面処理を行っています。
この為、従来のワイパー型に比べ耐久性は格段に向上致します。
・万一、長期間の使用中に表面処理のハガレ等が発生しても、
再処理を行う事が可能で、交換時の高度な微調整等は必要ありません。
・また、一般の金型と違う点は、シメ型と言われるパイプをクランプする部分が、
ワイパーダイの様な形状をしております。
この材質はダイス鋼等の硬い材料に熱処理を行っている為、
ワイパーの様な摩耗が発生する事はありません。
・金型の交換(再処理)の頻度は、およそ以下の通りです。
①従来型 :3000本/回
②ロールワイパー型:100000本/回
上記のように、ロールワイパーは従来型と比べ金型の交換頻度が長くなり、
ランニングコスト低減になります。
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