01 設計

時間を忘れるくらい夢中になれるマシンを作る

時間を忘れるくらい夢中になれるマシンを作る

石原 裕揮

石原 裕揮

Yuki Ishihara
  • 2005年入社
  • 愛知工業大学 工学部 電子工学科卒
  • 設計グループ
  • 機械設計係
  • 主任
01 Story

流れるようにパイプを曲げ続ける
ロボットに魅せられて

流れるようにパイプを曲げ続けるロボットに魅せられて

目の前には2本のレールが並行に置かれていた。その上に1台ずつ、小型ショベルカーのアーム部分のようなロボットが乗っている。ただ、アームヘッドはショベルではない。どうやら何かを掴むための装置らしい。すると、「ウィーン」というモーター音を鳴らしながら2本のアームが同時に動き出した。自らの腕を上げ、背後にある台に乗っていた鉛筆ほどの太さのパイプを掴んで持ち上げ、目の前に持ってきた。パイプの長さは5メートルくらい。持ち上げた勢いでブラブラとしなっている。次の瞬間、2本のロボットアームの間からもう一本のアームが伸びてきてパイプを支える。パイプが支えられると、2本のロボットアームがパイプの両端を掴んでひねり曲げた。2本のロボットアームは一度パイプを離すと、レール上を少し内側に移動。アームヘッドを縦横に回転させ角度を変え、またパイプを掴んでひねり曲げる。2本のロボットアームがそれぞれ、掴んではパイプをひねり曲げ、内側へ移動する動作を繰り返した。数十秒間で20ヶ所ほどグニャグニャと曲げられたパイプが完成。見学していた僕の目の前にパイプがロボットによって置かれた。加工されたパイプを観察していると、いつの間にかロボットは次のパイプ曲げ加工を終えている。まったく同じ形状のグニャグニャしたパイプが並べられていた。

このロボットがオプトンのロボットベンダー。就職活動で工場見学に来ていた大学生だった僕は、「ひたすら正確にパイプを複雑な形状に曲げ続けるロボット」に圧倒され、時間を忘れて見入っていました。

02 Story

自分が描いた機械が現実になる

自分が描いた機械が現実になる

大学時代の僕は電子工学を専攻。パソコンなどの頭脳にあたる、CPUなどの電子回路の中の電子的な情報処理について研究していました。電子工学で扱うのは電子信号などの目に見えないものです。しかし、オプトンのロボットベンダーの、ダイナミック且つ繊細な動きを目撃して感動した僕は、実際に目に見えるものを追求したいという気持ちが沸き上がっていました。

目に見えるものであるロボットベンダーの開発に関わりたいとオプトンに入社した僕は、念願叶って電子から機械の分野へ転向。機械設計担当に配属され、今ではロボットベンダーの新機種開発にも参加しています。

ロボットベンダーの新機種開発は、考えていた以上にシビアな世界でした。現行機種よりスペックを向上させるという単純な話ではありません。「お客様が求めている条件」をバランス良くクリアしなければいけない。自動車部品メーカーを始めとするものづくりの現場で、曲げ加工を精度良くこなせることは最低条件。加えて、機械導入が進む工場では限られたスペースに対応するコンパクトさが求められたり、熟練作業者を必要としない簡単な操作、部品交換などのメンテナンスを極限まで減らすなど、がんじがらめの条件下での開発は課題が山積みで、苦労は尽きません。それでも、自分が設計図面に描いたロボットベンダーが、実際に組み立てられ、形になり、さらに動く姿を見る瞬間を想像してワクワクしながら開発を続けています。

03 Story

3次元の空間+時間軸を
総合的に設計する

3次元の空間+時間軸を総合的に設計する

並行して担当しているのが、パイプベンダーに「パイプを渡す機械」の設計です。供給装置と言われるこの機械は、ロボットベンダーなどが人の手を使わず、正確なパイプ曲げ加工を継続して行うのに必要不可欠なものです。

ロボットベンダーは工場の「生産ライン」の一部として活躍します。例えばカーエアコンの製造においては、すでにパイプの前後にゴム製の部品が取り付けられたものを扱うなど、生産ラインごとに条件は様々です。そこで、供給装置を使って前工程から流れてくるパイプを受け取り、パイプのどの部分をどの角度でロボットベンダーに掴ませるか調整する必要があるんです。

限られた空間で長さのあるパイプを扱うには、周囲にぶつからないように、移動させる角度や高さを考慮します。さらに、ロボットベンダーを含めて周囲の生産ラインは絶えず動いているため、ある瞬間ではぶつからない位置でも、次の瞬間にはぶつかる空間になってしまう。それらすべてを計算して設計します。設計したものはシミュレーションソフトでチェックしますが、それで終わりではありません。実際に動かしてみたら上手くいかないなんてことはザラにあるから、最終的には、実物で試す、トライ&エラーを繰り返していくんです。地道な作業ですが、課題をすべてクリアしスムーズに動いた瞬間は本当に気持ち良いです。

相変わらず機械を
見ていると時間を忘れる

目に見えるものを設計したいと憧れ、飛び込んだ機械設計の仕事。入社してから12年の間、ずっと変わらず続けていることは「機械を見る」ということ。仕事が終わると自然と足が工場へ向きます。自分が図面に描いた機械が形になることが今でも嬉しくて、何度でも見たくなるんです。特にお客様の要望をあれこれ受けて、悩んで考え抜いて完成させた機械を見ているときは一人で悦に入っています。この世界は要望通りできてあたりまえ。なかなか褒めてもらうことはないので、自分で自分を褒めてあげるんです。すべての課題をクリアして、どこにも干渉せず、決められた動きをスムーズに規則正しく繰り返す機械の姿を見ていると、いつも時間を忘れてしまいます。かつて子どもの頃に『ピタゴラスイッチ』というテレビ番組に夢中になった経験はありませんか?オプトンの機械が、現在の僕にとってのピタゴラスイッチです。

子どもの頃と違うのは、眺めながらも、もっと効率良い方法があったんじゃないかとか、先輩だったらどんなアプローチをしただろうか、なんていうことを考えていることです。他の人が担当した機械もしっかりと見ています。機械を見て何が課題だったのかを想像する。コスト優先だったのか、タクトが優先だったのか、設置スペース優先だったのか。そして、それぞれの課題をどのような方法でクリアしたのか、自分ならばどうアプローチするのか。機械設計は、同じ課題を解決するにしても方法は何通りもあるからおもしろいんです。この先も飽きることはなさそうです。

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