人に指示を出す自分なんて、
想像できなかった。
そのとき僕は、北米の顧客先の工場で、ロボットベンダーを生産ラインに組み込むための据え付け作業に追われていた。日本国内とは何もかも環境が違うため、作業が思うように進んでいなかったのだ。当然だけど日本語はほぼ通じない。通訳スタッフを介したたどたどしい会話を頼りに、お客様と問題解決のために打ち合わせを重ねる。どうしても追加で必要になった特注部品を、電話で日本のオプトン本社に指示して輸送する手はずを整える。同時に、顧客の生産ラインと連動させるため、動作プログラムの微修正をソフトウェア開発担当者に依頼する。修正プログラムをメールで送ってもらったら、マシンにインストールする。待っている間にもやることはたくさんある。例えば、お客様の工作機械を借りれば、現地で自分が作り直せる部品もある。ここにいるオプトン社員は自分一人。手伝ってもらえる仲間はいない。脳内にはアドレナリンがひたすら出ている感じだ。「自分がなんとかしてやる!」なんて思ってる。あれ?自分ってこんなに人に指示したり、バリバリ仕事するキャラじゃなかったはず……どうしてこうなった?
機械のことをもっと知りたくて、
あちこち顔を突っ込んだ。
モノを生み出す工作機械に興味があって、大学では自動車づくりに関する研究をしていました。就職活動では、工作機械に関わるメーカーを志望。できれば図面から組立まですべてに関わりたい。そう思って、部分的にしか関われなさそうな大規模メーカーを避け、中規模メーカーに絞って就職先を探した結果、オプトンに出会ったんです。
入社後は機械を触れる部署を希望し、配属されたのがロボットベンダーの組立部門。組立とは、加工した部品や、ロボットの司令部にあたる制御盤などを組み合わせて、電気系統の配線を行う工程です。最初は機械に触れることがただ嬉しくて、夢中になって組立作業を覚えました。でも慣れてくると、だんだんと周りの工程が気になり始めてしまって……。組立だけやっていてはつまらないと、他の工程にも首を突っ込むようになったのはそのころからです。
最初に首を突っ込んだのは調整部門。組み立て終わったロボットベンダーを実際に動かしてパイプ曲げ加工のテストをするなど、出荷前の最終チェックを行う工程です。先輩たちを見て作業を覚えていくうちに、もっと知りたくなって「ここはこうやるんですか?」なんて質問するようになっていました。本来はそんなキャラじゃないんですが、機械のことがもっと知りたかったばかりに、先輩とドンドン話すようになりました。思えばこの時から変わり始めていた気がします。
自分には、
こんなこともできるんだ。
自分の所属部門以外に首を突っ込んでも、オプトンでは誰にも咎められません。むしろ、調整も一通りやったころには「次は据え付けも行くか?」なんて先輩に声をかけてもらい、顧客先の工場に出向いて据え付け作業にも参加するようになりました。たしか、入社2年目の早い時期だったと思います。そんな感じであちこち首を突っ込んでいたら、いつのまにかオプトンの製品について知識が広がり、それを評価されて現在所属する製品保証グループに配属されました。製品保証グループは、自社工場でのロボットベンダーの最終チェックや、顧客先の工場での据え付け、操作方法のレクチャー、マシン稼働後の修理にも対応する部署です。ロボットベンダーがこの段階に来るには、マシンのメカ部分を設計する機械設計部門、機械の電子制御を担う制御盤などを製作するNC制御部門、マシンの動きをプログラミングするソフトウェア開発部門、パイプ曲げ加工のための部品製作に必須の金型製作を担う機械加工部門、それからマシンを組み上げる組立部門など複数の部署の力が必要です。
製品保証グループでは、最終チェック段階で不具合が発生した場合にすべての工程を分析し、原因を特定することが求められます。僕は不具合が発生した段階で原因箇所の見当をつけるのが得意です。これは、いろいろな部門に首を突っ込んでいたことが役立っているのだと思います。原因を特定したら、担当部門に修正を依頼する。否が応でも社内のいろいろな人と関わるようになりました。
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